覗き見 街歩き


03 神社・仏閣そして教会

  唯一神を崇めるユダヤ教、キリスト教、イスラム教の間には、どう言う理由か、古来、争いが絶えない。一人の神様が全能を発揮されようとするから、それぞれの宗教間でその全能の優劣を競うことになる所為なのだろうか?近年もイスラムと対峙する戦争のニュースが絶えることがない。我々日本人には理解できないことである。その昔、古代ローマには多いときには30万にのぼる神々が棲んで居られたと言われている。インドは凄い、なんと36,000,000もの多くの神様が居られて、夫々がいろいろと細かく役割を分担されていると言われている。このインドには敵わないが、それでも我が日本にも神様の数はなんと八百万も居られるのである。このように神様の多いところでは、総じてどの神様にもお願い事をして、夫々からご利益を得ようとするから、つまりは全ての神様のご加護を受け入れることとなり、万事に寛容な平和的風土が育まれるものと思われる。唯一神を絶対視する独善をもって他者を侵略、排斥するようなことはせず、友好的に他者を受け入れる気風か幸いして、温厚な民族性を発揮するようになると思われる。尤も、日本では一時天皇をお一人だけ神格化して、何が何でもこの現人神とお国のために、とか言って、両肩に力を入れる危うい過去が一時期あったようだが、その後はまた八百万の神々をお参りするようになったので、近年は永らく平和が続いているような気がする。そういう理由からだろうか、我が家の近所を歩いていて今更ながら驚かされるのは。僅か30分ばかりで歩ける狭い地域に寺院の数がなんと60余、神社は20余、それに加えて、キリスト教の教会までもが30余り存在するのである。合わせてなんと100を超える数になる。私の住むこの地域がとりわけ信心深い人が多い処とは思われない。私と同じで、決して信仰厚いとは見受けないが、いずれにしても散歩していて心騒ぐことは無い。多くの仏様や神々にお守り頂いている気がして、むしろ心穏やかになるから、有り難いことと感謝している。



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